第 96 号  平成28年11月27日 発行

-目次-

情報発信事業「食事支援のための講習会」を開催
日中活動の様子  シリーズ「この人にきく」
掲示板「花ノ木の喀痰吸引研修」 
花ノ木の動き  ありがとうございました  編集後記

情報発信事業「食事支援のための講習会」を開催
 平成28年10月15日(土)、食事支援のための講習会を開催しました。6年前に、障害児者の食事に関わっておられる方にとって、食べることに関する基礎的な知識を知り、介助される体験を通して具体的支援を考える際の助けになれば…と企画し、今年で3回目になります(3年に1回の開催)。参加者からの意見を参考にさせていただき、開催曜日や時間帯、内容を少しずつ変更してきました。
 受付をされた参加者は、展示していた食材や食具、口腔ケア用品を見て回りながら、業者からの説明に熱心に耳を傾けておられました。講習会開始前に時間を設け、展示業者より各社製品の特徴などの説明をしていただきました。
 講習会の前半は、『食事に関わる器官とその機能』、『摂食嚥下の流れ・誤嚥』、『摂食機能の正常発達と食物形態』についての講義をしました。私たちは何気なく食べているので、口に取り込んでからどういった順序で食べているか、食べ物を噛んでいる時にどの部分がどのように動いているか…といったことを考えることはあまりないと思います。おせんべいとヨーグルトを食べてもらったのですが、「こんなに舌を使って食べているって知らなかった」、「口の中で、食べ物がミキサーみたいに動いているわ」といった声が聞かれました。
 後半は、『体験してみよう』で介助される体験をしてから、『具体的支援』について説明しました。首を反らせた姿勢で開口して嚥下する体験では、「もうムリ…飲み込めない」といった声が上がり、ムセる体験までされた方もおられました。下顎・舌・口唇が一体となった動きで食べる体験では、「いつまで経っても食べ物が(口の奥に)入っていかない」という感想があり、実際に関わっておられる対象者を思って、「よう食べてはるわ…」といった声が上がっていました。介助される体験では、『いつ・何が』口に入ってくるかわからないことがこんなにも不安なことなのか…と身をもって実感された様子でした。
 講習会の中で、関わっておられる対象者を頭に描きながら、具体的な質問をして下さる参加者もあり、私たちが準備した内容をさらに深めることができました。また、講習会後のアンケートには、「介助される気持ちがよくわかった」、「感覚でしていたことが理論で裏付けできた」などの感想をいただきました。
今回の講習会が、日頃の介助を見直したり、適切な援助を考えたりする機会になれば嬉しく思います。
 アンケートには内容や時間についても意見をいただきました。すべてにお応えできるかどうかはわかりませんが、いただいた意見を参考に、次回、講習会の内容を見直していきたいと思います。
 リハビリ係長 言語聴覚士 大良正子 
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日中活動の様子

 9月29日、2名の方が外出活動で京都水族館へ行かれました。当日は朝から雨が降り続くあいにくの空模様でしたが、出発すると雨もあがり、楽しいドライブとなりました。車窓から見える街並みや山々の色あい等、日頃とは違う景色をお二人も興味津々で見ておられました。水族館では、大小様々な趣向を凝らした水槽の中で、魚や水辺の生き物が美しく照らされ、楽しみながら館内を散策することができました。一番大きな大水槽では、青白く光る水面の下、群れをなして泳ぐ魚に時間を忘れて目を奪われておられたのがとても印象的でした。病棟の中とは違う表情を見られた事に、新たな発見や喜びを感じるとともに、日常の様々な関わりあいの中でも、このような表情を見られるよう、一日、その中のひと時を大事にしていこうと思いました。お二人とも楽しんでおられた様子であり、実りのある外出活動でした。
                             (第一病棟 生活支援員 山内典裕)


 第二病棟日中活動セクションでは、今年度の目標の一つに「活動中の写真や創作物を展示し、保護者に活動の様子をわかりやすく知らせる」ことを挙げています。この目標の下で取り組んだ一つが「フォトフレーム作り」です。8月より、各設定活動や個別活動で、入所者一人ひとりがフォトフレームに飾るバラの花や季節の植物などを職員と一緒に作ってきました。
 絵の具で色付けした紙粘土に、入所者の手の平や指・手の甲などを当てて伸ばし「感触あそび」を楽しみながら、花びらを一枚一枚作りました。重ねて巻くと、指の形や粘土に当たる力加減によって、みんな違う綺麗なバラの花ができあがりました。
 10月9日の保護者交流会で、保護者の方に葉をつける仕上げをして頂きましたが、とても熱心に(特にお父さん方が)作っておられました。写真も日ごろの様子を撮り貯めた中から選びました。ご家族にとっても思い出の品になればと思います。
                             (第二病棟 生活支援員 國府佳朗)

第三病棟1ブロック
 9月16日(金)に、電車で外出活動に行きました。電車を待っている間は声が良く出て興奮されている様子でしたが、電車に乗るとたくさんの乗客の中でも落ち着いておられました。京都駅に着き、目指すはランチのお店!お二人ともしっかりとした足取りで、お店まで歩いて行かれました。今回のランチはキューブのレストラン街にある和食のお店で、丼ものとおばんざいです!私たちが座った席の真正面に、おばんざいがバイキング形式で置いてあり、座った瞬間から目が釘付け。おばんざいも丼もあっという間に完食してしまわれ、職員が食べているのをチラチラと見ておられました。ランチの後は、少し散策をして帰途に。帰りの電車では、眠そうな表情をしておられました。お二人とも食べる事が好きな方なので、普段と違う雰囲気でたくさん食べ、楽しむ事ができたのではないかと思います。
                           (第三病棟 生活支援員 佐野友希子)

第三病棟2ブロック
 平成28年9月9日、天気にも恵まれ、京都鉄道博物館へ外出しました。花ノ木からバスに揺られてドライブ。車内でも笑顔が見られ、周囲の景色を楽しんでおられました。現地に到着して、まずSLスチーム号に乗車しました。車椅子に乗ったまま乗車ができ、しかもその場所が一番前ということで、隣でマイク片手に案内をされている車掌さんの様子をじっと見つめておられる方もいらっしゃいました。約100mと短い距離でしたが、汽笛の音、走っている時の風を肌で感じ楽しみました。館内には、蒸気機関車や昔の電車などの展示があり、実際に触ったりしながら1時間ほど見学した後、レストランにて昼食を摂りました。その後、梅小路公園の緑の館の茶室を借りて休憩。窓からは綺麗な池と庭園が見え、外を眺めながらゆっくり過ごしました。外出に参加された三人共笑顔が見られ、大喜びで楽しんでおられました。
                             (第三病棟 生活支援員 梶原礼子)


 はなのき通所では、午前中は生活支援員や看護師が、リハビリスタッフから指導を受けたストレッチメニューや歩行訓練を行います。午後は、週2回の小集団(紙漉き、よろず、からだ・創る)活動、火・水・木曜日には入浴を行っています。入浴されない方は、レクリエーション(ゲーム、スヌーズレン、散策等)を行っています。年間を通して夏祭りやクリスマスなどのイベント、コンサートなども行います。外出活動もご家族の希望等を整理して行っており、最近は夢コスモス園(亀岡市)、京都市動物園、嵯峨嵐山でのホテル外食、東映太秦映画村に行きました。参加された方は一部の方々ですが、家族とは違う利用者や職員との外出に緊張したり、わずかなことで笑ったりして、非日常を楽しんで頂けたと思います。
 今後も、利用者の方々の体調についてご家族とも相談しながら、出来ること(外出だけでなく)、楽しめることを企画できたらと思います。
                                      (通所係主任 高雄明)
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 シリーズ『この人に聞く』
医師 岡本 侑子 先生

 今回は、今年の4月から勤務されている岡本侑子先生にお話を伺いました。

― これまでの経歴を教えて頂けますか?
 
京都市内で育ち、京都府立医科大学を卒業後、舞鶴医療センターで初期研修・小児科専攻医を務めました。花ノ木医療福祉センターは2つ目の職場になります。
 前任地である舞鶴医療センターは、SCU(脳卒中集中治療室)、NICU(新生児特定集中治療室)、精神科デイケア施設などを有する京都府北部の中核病院で、かつては元海軍病院として広大な敷地を有していたそうです。救急室まであまりにも遠いので若い医師は院内廊下を自転車で走っていたと研修初日に聞きました。この若い医師というのが、現在も花ノ木に勤めている中川先生だったとご自身から直接伺ってとても驚き、その頃から強いご縁があったのだと思いました。

― 実際に花ノ木に来て働き始めての印象は?
 まず和やかで素敵な環境だと思いました。患者さんを中心に様々な部署が連携し、垣根が低く情報交換がしやすいのが印象的でした。不慣れな私にも声掛けをして下さってありがたいです。
 これまで携わってきた急性期医療の中で、先天性あるいは不慮の事故によってハンディを負った子どもたちとも出会ってきましたが、その子どもたちがどのように社会に戻っていくかは心に懸っていました。その曖昧だった部分と今まさに向き合っていることに襟を正す思いです。日々の診療の中で、今まで点と点だった「患者さん」が人生という一つの線になり、家族や職員がその人生に関わっていく様子を体感することができ、実り多い時間を送っています。

― 小児科の医師を目指されたのは?
 
例えば大人ですと消化器内科や整形外科、眼科などと専門が細分化される現代ですが、そんな中でも「『子ども』という人を全人的にみる」ことを求められる小児科に魅力を感じて志しました。医学が進歩する中で、基礎疾患を持っていても長生きできる方が増えています。そこで、花ノ木での経験をもとに、そのような方々もスムーズに成人科に移行して適切な医療を継続的に受けられるような「連携」、「橋渡し」のできる小児科医を目指したいと思っています。

― 休みの日や趣味など仕事以外の過ごし方を教えて下さい
 休日の朝は音楽を聞きながら家事を片付けるのが研修時代からの習慣になっています。学生時代に劇団四季の「キャッツ」を最前列で観て感激して以来、オペラやミュージカルのサウンドトラックも好んで聞くようになりました。でも、なかなか実際に観劇する時間が持てず残念です。「ウィキッド」や「アイーダ」「ライオンキング」など是非とも見に行きたい演目はたくさんあるのですが…
 まとまった休みの時は、美術館や寺社仏閣に美術品を見に行くのも趣味です。先日は祖母と相国寺の承天閣美術館に行き、動植綵絵(注)(複製画)を鑑賞してきました。

― これからの抱負をお聞かせください
 直近の目標は入所者さん150人全員と短期入所の方の顔と名前を覚えることです。小児、成人という垣根を越えて、一人ひとりと虚心坦懐に向き合って日々の診療を重ねていければと思っています。まだまだ未熟さを痛感する毎日ですので、まずは寺田所長や他の先生方のご指導を頂きながら、在宅医療や重症心身障害療育の実際を身につけていくことを目指しています。若輩者ですが、どうぞよろしくお願い致します。

 プライベートで携帯は「スマートホンではなくガラケーを使っています」と話しておられる表情はとても明るく、あっという間のインタビューの時間でした。廊下を軽やかに歩き、利用者さんに気軽に声掛けをされている姿は素敵です。
 岡本先生の動きはこれからも注目ですね。ありがとうございました。

(注)動植綵絵(どうしょくさいえ):伊藤若冲の代表作の一つ、動植物を描いた彩色画

 聞き手:須賀通雅編集委員、浅田功編集委員
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掲示版

花ノ木の喀痰吸引研修

今まで介護職員にはできなかった医療行為について、平成24年4月の「社会福祉士及び介護福祉士法」の一部改正によって、痰吸引等の処置が条件を満たせばできるようになりました。
 センターでは平成25年に喀痰吸引等研修第三号研修登録機関に名乗りを上げ、同年11月から1年間に3回の研修をおこなっています。この喀痰吸引研修の第三号研修とは、「特定の方に対してその方の対象となる行為を実施できるようになる」というものです。ほかに不特定多数の方に対して医療的ケアができる第一号研修と医療行為が限られる第二号研修などもあります。第三号研修では8時間の講義と1時間の演習をおこないます。地域生活に関する講義を地域支援部長が、重度障害児者の障害及び支援と緊急時対応などに関する講義を医師や認定看護師がおこなっています。花ノ木の専門性を活かしつつ、実物等の機器も活用しながら、専門的な内容をわかりやすく講義をおこなっています。
 現在まで10回の研修をおこない、実地研修だけの受講も含めて延べ300人以上の方が受講されています。センターの中でも、はなのき通所の職員は実際に利用者様に医療的ケアをおこなう場面もあり、順次受講しています。また、花ノ木児童発達支援センター(おひさま)の職員も重度の子どもさんに対応する為受講している職員もいます。
受講を受け付けている中で、利用者の方に対する医療ケアの行為が順次増えてきていることやケアに入る事業所が増えてきていることを感じながら、地域で生活する方の24時間を支える数多くのケアスタッフの姿が想像できます。今後は、修了した方に対するフォローアップ研修やヒヤリハットアクシデントの情報共有なども、必要があるのではないかと考えています。

看護生活支援部主任 松本真寿美
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 花ノ木の動き 平成28年6月16日〜平成28年11月15日
  6/17 関西電力植樹
  7/ 1 はなのき通所参観交流会
  / 4 京都YMCA国際福祉専門学校介護実習(〜17)
     大阪医療福祉専門学校社会福祉士実習(〜8/5)
  /13 所内研修「メンタルヘルス」
  /24 情報発信事業「作品作り講座」
  8/ 3 所内研修「前期医療安全研修」
  / 4 花園大学看護実習(9、10、12)
  / 6 ダウン症交流会「スマイルサークル」
  / 8 花園大学生活介護実習(〜21)
  /25 京都学園大学ST見学実習
  /28 センター・保護者会懇親会
  9/ 4 千代川消防団視察来所
  / 5 京都府医師会看護専門学校実習(〜30)
  / 7 所内研修「個人情報保護」
     非常用保存食準備訓練
  /11 情報発信事業「ボランティア講座」
  /14 総合防災訓練
  /17 ダウン症交流会「スマイルサークル」
  /19 京都医療福祉専門学校生活介護実習(〜10/16)
  /25 保護者会役員・センター懇談会
  /27 おひさま卒園児保護者交流会
  /29 おひさま避難訓練
 10/ 3 京都府医師会看護専門学校実習(〜7)
     大阪保育福祉専門学校(〜16)
  /11 明治国際医療大学看護実習(24)
  /15 情報発信事業「食事支援のための講習会」
  /17 京都府医師会看護専門学校実習(〜21)
  /26 地域美化作業
 11/ 7 明治国際医療大学看護実習
  /14 藍野大学OT見学実習(〜18)
 
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 ありがとうございました (敬称略)
 ・寄付  林裕/寺田直人/岩村諄子
 ・寄贈  西田安孝
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 編集後記

 酷暑だった夏が過ぎ、秋がきました。
 もうすでに夏の庭を秋色に仕立て直した方も多いのではないでしょうか。ホームセンターに行くとパンジーやビオラ、クリスマスローズ、アリッサム、コスモスなど、所狭しと並ぶ色とりどりの草花と共に、ムスカリ、ユリ、チューリップといった春咲の球根も数多く売られており、その組み合わせを考えていると楽しい気持ちに。爽やかな風を感じながらの散歩やドライブも良いし、朝夕冷え込むようになってきたので炬燵も恋しいですね。最近の炬燵布団は種類が豊富なので秋から冬にかけてインテリアデザインの要にもなります。肌寒い夜に、ほんのり暖かい部屋で美味しい鍋料理を頂けるのは、これからの季節の楽しみです。さて、皆さんの「秋のお楽しみ」は何ですか?
                                       (青木雅代編集委員)

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