第 83 号  平成24年6月24日 発行

-目次-

所長就任挨拶
第42回花ノ木まつり  花ノ木まつりを終えて
シリーズ『この人に聞く』  
掲示版「情報発信事業 子どもがよろこぶ簡単調理」
花ノ木の動き  ありがとうございました  編集後記
就任ご挨拶

 四月一日に花ノ木医療福祉センター所長として着任いたしました。よろしくお願いいたします。

 小谷功前所長には十数年にわたりセンターのご指導をいただきました。この間、施設の全面改築、サービスの向上、発達障害外来の発展など多くの業績を残されました。ありがとうございました。

 さて、私は平成十年四月に京都府立医科大学小児科から花ノ木に赴任しました。この間、前所長の肩越しに花ノ木や重症心身障害児施設を取り巻く環境の変化を眺めて参りました。入所者の重度化、発達障害外来受診者の増加、在宅志向の高まり、そして何よりも制度の変更とすっかり様変わりしました。

 この四月には制度上での「重症心身障害児施設」は消滅し、「医療型入所施設(児童)」、「療養介護施設(成人)」、「病院の多機能施設」へ変更になりました。この制度変更に関して、施設不要論が高まり、特に我々のような長期入所型施設が問題視されました。このような状況で、「守る会」や重症児福祉協会が施設入所を選択できることがいかに大切か、また在宅生活者にとっても短期入所などの施設が提供するサービスが不可欠と訴えられた結果、実質的には重症心身障害児施設は残ることになりました。しかし、重症心身障害児施設という立ち位置をなくしたことは大きな損失です。私どもの入所施設は重度重複障害児者療育を専門としますが、療養介護事業所は知的障害がなく成人になってから身体障害を負われた方や神経難病の方なども利用可能です。医療型入所施設も肢体不自由児、自閉症児の施設も同じ類型になりました。自分たちを規定する枠組みがなくなったので、重症心身障害児者だから、どうだとかこうだとか言えなくなってしまう。自分たちは何者で何をする人かを一言で言い表せない、誰が仲間なのか簡単にはわからないという状況です。これは案外大きな痛手かもしれません。

 花ノ木が誕生してから四十年が過ぎました。この間、入所者の幸福を考えるあまり、内向きになっていなかったか、花ノ木を世間に知っていただく努力を怠っていなかったか、長年培ってきた技術、サービスを地域に還元してきたか、反省すべき点はいくつもあります。次の十年を考えるとき、社会から孤立した施設は残ることができないと思います。おそらく消滅するでしょう。今の状況は長い歴史を持つ施設にしては問題ありと感じています。亀岡で花ノ木ってどこですか?とか何をしている所ですか?と旅行者から聞かれ、市民の皆さんが、「あ〜知ってますよ」と答えていただけるような状況を作るべく、認知度を上げる活動から開始しないといけないと感じています。花ノ木を支えていただいている多くの皆様との連携を大切にし、育てていくことが私にとっての重要課題と考えています。今後ともご支援、ご指導の程よろしくお願いいたします。

 (花ノ木医療福祉センター所長 寺田直人) 
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第42回花ノ木まつり
まあるい笑顔をいっぱいさかせよう!!

5月27日(日)、第42回花ノ木まつりが開催されました。今年のスローガンは、「まあるい笑顔をいっぱいさかせよう!!」。4年ぶりの屋外、真夏を思わせる陽気の中での開催となりました。

所長、来賓の挨拶の後、舞台イベントと出店が開始となりました。

今年の舞台イベントは、亀岡市馬路町より「三ッ辻太鼓」、沖縄民謡の「にいじゅんライブ」、「佛教大学よさこいサークル紫踊屋(しおや)」の皆さんをお招きしました。

「三ッ辻太鼓」の皆さんは、まつりのスローガンにちなんで、「まあるい大きな太鼓を元気よく叩きます!」というかけ声とともに演奏を開始。かけ声の通りメンバーの子ども達が息の合った元気な演奏を披露してくださいました。

「にいじゅんライブ」の皆さんは、琉球方言の元気な挨拶の後、演奏開始。沖縄三線とギターの伴奏にのせて力強い歌声で沖縄民謡を歌ってくださいました。会場の皆さんを巻き込んでの合唱では、「皆さんが一緒に歌ってくれないと、この歌、歌になりませんから!」と大きな声出しを促しながら盛り上げてくださいました。

「紫踊屋(しおや)」の皆さんは昨年に続いてお招きしました。今回も若さ漲る力強い踊りを披露してくださいました。会場を巻き込んで踊った曲では、メンバーの方々が会場を練り歩き盛り上げてくださいました。ノリノリで踊る観客の方もいらっしゃいました。

出店は、林裕次郎さん(センター利用者)のお茶屋さんとデザート(プリンとドルチェ)コーナー、焼きそば幸楽、チョコレートフォンデュ、給食係特製のクッキー販売、ヨーヨーすくい、おもちゃ箱(なつかしい遊び体験)、ウォーターアタックゲーム(水鉄砲による射的)と今年も盛りだくさんでした。

飲食の出店は今年も大好評でした。ゲームの出店でも、常にたくさんの人だかりができていました。特に、倒した的の数に応じて豪華景品?が獲得できるウォーターアタックゲームでは、順番待ちの長い行列ができていました。

新採用職員(8名)の挨拶の後、エンディング。各病棟と通所を代表して7名の利用者の方々が舞台に上がり、それぞれがプラカードを掲げると、“またらいねん!”の文字が。そして、「エイエイオー!」のかけ声で締めくくりました。最後に保護者会挨拶、実行委員長挨拶の後、まつりは終了となりました。

和やかでほのぼのとした“まあるい笑顔”がいっぱい咲いたまつりとなりました。来年のまつりも笑顔がいっぱい咲きますように!
橋本欣也編集委員
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花ノ木まつりを終えて
 昨年は雨天のため、屋内で規模を縮小しての開催となりましたが、今年は何と真夏のような晴天!4年ぶりに屋外で開催することができました。

ステージでのイベントでは、まずはまつりの幕開けにふさわしい三ッ辻太鼓のパワフルな演奏を、次の「にいじゅん」ライブでは、まつり当日のような天気がよく似合う、沖縄の民謡を楽しめました。そして佛教大学よさこい踊りサークル「紫踊屋(しおや)」のパフォーマンスでは、会場が一体となって踊りを楽しめたと思います。

また久々に開催できた出店も、焼きそばやゲームコーナーなど、どの店舗も来場者で大いに盛り上がりをみせていました。来年も良い天候に恵まれ、皆さんが元気に参加できることを願います。

 最後になりましたが、約2カ月の準備期間中、多くの方々にご協力いただき、また、実行委員のみなさんの支えで、第42回花ノ木まつりを無事終了することができました。書面を借りてお礼を申し上げます。

実行委員長 船越勇紀(第三病棟)
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 シリーズ『この人に聞く』
副所長 神谷 康隆先生

今回は、4月から副所長に就任された神谷康隆先生にお話しを伺いました。

ご出身、ご経歴をお聞かせください。

 愛知県豊川市出身です。7人兄弟の末っ子として生まれました。愛知医大卒業後小児循環器をやりたくて、大学の後輩の紹介で京都府立医大の小児科にはいりました。平成10年から京都伏見にある金井病院に入職しました。小児科部長、副院長をへて平成18年からは院長として14年間勤めました。定年を迎えるまでと思っていましたが、今回縁があって府立医大小児科医局の後輩にあたる寺田先生(所長)のお誘いを受け花ノ木に赴任いたしました。家族は、妻と大学生の息子が1人います。

医師として多くの経験を積まれ、ご苦労も多かったことと思いますが。

 子供の頃から体力がなくて、夏場になるとバテテいました。高校では体力をつけようと体操クラブに入り、大車輪が出来るようになったんですが、怪我をしてやめました。
 小児循環器というのは、救急が多く24時間体制でいろいろなドラマのような出来事がいっぱいあって好きでした。しかし、小児科は点滴から検査まで全部自分でしなければなりません。何かあったときには、必ず自分が行かなくてはならず、気胸を繰り返して手術を受けたりしました。そういう事もあって、健康管理には十分心がけています。

どのような健康管理をなさっておられますか?毎食キャベツのサラダを召し上がっているとお聞きしましたが。
 
 ええ。1年前、検診で食後高血糖を指摘されまして。インシュリンの分泌が悪いんですね。そういえば、疲れやすく風邪を引きやすいなど思い当たることが多々ありました。そこで、食事量もそうですが、好物のデザートとお酒をやめました(時々は楽しみます)。食事を摂る順番を変え、キャベツの千切りを食前に食べます。タッパ一杯の…です。自然と主食の量も減り、半年して症状というか全体の体調が良くなりました。もともと、ふくよかでは無かったのに体重が6〜7kgも減りました。

先生は、非常に多趣味とお聞きしました。写真、天体観測など、最近は金環日食の準備もなされているとか?食堂で見事な写真を拝見いたしました。(インタビューは5月18日)

 星に興味をもったのは、中学生の頃姉に「星と伝説」という本を買ってもらい読んで以来です。数年前望遠鏡を買い、今は夜空を観ています。亀岡の夜空は本当に素晴らしいですね。当直のときパッと空を見上げたら一面に星が見えて感動しました。金環日食は楽しみにしています。アングルなど、日食時間に合わせて撮影ポイントなど確認したりしています。天気が心配ですが。写真もしていて、大阪の写真クラブに所属しています。デジカメで本当にきれいな天体写真が撮れるんですね。プロの方に教えてもらったりしています。

   (医療棟の食堂に作品がいっぱい展示されています。是非見に来て下さい!)

先生の囲碁はプロ並みとも。

 6段です。京都府大会でベスト8まではいきます。亀岡の大川医院で「囲碁クラブ」があると聞いたので、時間があったら行こうかなと思っています。

花ノ木の印象をお聞かせ下さい。

 障がい者施設というと、暗いイメージがありました。そのイメージは一瞬にして消えました。入所者の明るさ、毎日一生懸命を生きている姿を見てです。喋るとまた面白い!見えるんですね。やり甲斐が。長いこと頑張ってやっていこう!と思います。

花ノ木の「所内報」で書かれていました、趣味「放浪」についてお聞きしてもよろしいですか?

 これは、昔の趣味が旅行で。若い頃、東京から福井とあちこちで勤務しました。そういう意味で「放浪」です。赴任先の「地域」に溶け込めるのも魅力でした。西舞鶴では、海釣りを教えてもらったりしました。

これから花ノ木でなさっていかれたい事などお聞かせいただけますか?

 重症児医療は初めてで、今は研修医状態。毎日が新しいことの連続です。この素晴らしい亀岡という地で、寺田先生にいろいろ教えて頂きながら頑張って行こうと思います。

ベテランと表現するには申し訳ないほどの経験と経歴をもっておられる神谷先生。安心感が言葉の節々から伝わります。診察の際、必ず触診なさる姿にデータや数値に目を奪われがちな医療ではなく、洗練された技術を感じました。―花ノ木にまた違う新しい風が吹き始めています。     

 聞き手:東前京子編集委員
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掲示版
情報発信事業「子どもがよろこぶ簡単調理」

5月25日(金)に第5回目の簡単調理を開催しました。平日にもかかわらず外部11名、所内5名の参加がありました(入所者の参加もありました)。

まず、定番の電子レンジクッキングは、さつま芋の蒸しケーキを紹介しました。さつま芋の自然な甘さを生かすケーキで、冷めても美味しく食べ易いと好評でした。

次に、花ノ木で実際に提供している食事の中から、段階食の紹介をしました。サイコロ食、キザミ食、ミキサー食、ゴックン食のサンプルを用意し、見て、食べて、比べてもらいました。そのうちゴックン食については、作り方の実演もしながら紹介しました。これまでゴックン食はキザミ食とミキサー食との中間食として考えて来ましたが、いまでは訓練食の役目や食べの機能低下を助ける役目も担っていますと説明しました。参加者からは、ムース食との違いや使用している増粘剤の種類などについての質問がありました。あわせて寒天茶も紹介したところ、かなり興味を持たれている様でした。

最後に、おかゆのオムライスを実演調理し、試食してもらいました。最初は半信半疑で試食しておられましたが、前回のおかゆの散らし寿司と同様に好評で、味良く、食べ易いのに驚かれていました。作り方も簡単なので、試してみたいとの声が多数ありました。

食材や調理に関する具体的な質問や、献立の展開の仕方の質問、今日教えて貰ったものをおじいちゃんに作ってあげたいという声等、参加者から沢山の発言がありました。

今後も、色々なアイデアを提供出来て、皆が参加出来て、楽しかったなぁ、役にたったなぁ、参考にしよう、と思って貰える講習会を続けて行きたいと思います。

(給食係長 管理栄養士 田中真澄)

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 花ノ木の動き 平成24年1月16日〜平成24年6月15日
  1/21  地域学習会「高校・大学における発達障害の躓きと支援」
 2/22  第1回事例研究大会
  /27  滋賀医療技術専門学校実習(〜3/2)
 3/ 4  ボランティア養成講座

  / 7  所内研修「外部研修報告会」
  /11  契約説明会
  /14  新採研修「一年間の振り返り」
  /21  自立支援法見直しに係る説明会
  /25  センター・保護者懇談会
  /27  理事会・評議員会
  /28  H24年度新採職員オリエンテーション(〜29)
 4/ 2  辞令交付式
  / 3  藍野大学実習(〜6/1)
  / 8  保護者会総会
  /16  京都医療福祉専門学校実習(〜5/13)
 5/14  大阪こども専門学校実習(〜26)
  /15  聖母月の集い
  /17  明治国際医療大学実習
  /21  京都府医師会看護専門学校実習(〜6/1)
  /25   発信事業「子どもがよろこぶ簡単調理」
  /27  花ノ木まつり
  /30  医療管理棟・通園棟防災訓練「設備説明」
  /31  明治国際医療大学実習
 6/ 4  佛教大学実習(〜8)
  /11  同志社女子大学実習(〜15)
     京都府医師会看護専門学校実習(〜22)
  /14  明治国際医療大学実習(28)
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 ありがとうございました (敬称略)
 ・寄附  星和電機工事(株)/長澤佐代子/林裕/通園保護者/

     (株)コストトレード/原田自動車/馬路精肉店/
      
      オリックスファシリティーズ/松花苑 かしのき/日吉台区長/真継さき江

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 編集後記
 先日、縁があって妙心寺で「座禅」体験をしました。まず、座褥(ざにく)という座布団を引いた上に座蒲(ざぶ)という尻当てのようなものを置いて座ります。そして足を組むのですが、膝の術後で片足しか組めず半かふ座に。両膝を座布団につけ、次に手を組み、(組み方のことを印相(いんそう)といい手のひらを上に向けて重ね、親指を合わせます)腰を伸ばし、丹田(たんでん)に意識を集中させ、肩の力を抜いてゆっくり腹式呼吸(丹田とは臍の下3センチくらいの所)。次に数息観という呼吸法を教えて下さいました。ひとつ、ふたつと数えていくうちに、呼吸と自分がひとつになり、だんだん心が空っぽになっていきました。自分の「我」や「欲」を無くすと、物事を素直にありのままに観ることができ、何故だか気持ちが楽になりました。私たちは日々いろいろなストレスに囲まれて生活を送っています。だからこそ、自然体の「自分」に戻れる時間、それを工夫して作ることが大切ではないでしょうか。
                                        (東前京子編集委員)
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