第 82 号  平成24年1月22日 発行

-目次-

年頭挨拶
情報発信事業「超初級講座」  シリーズ『この人に聞く』  
掲示版「施設整備等助成金の交付決定」
年頭挨拶
新制度に移行し、新たな一歩を

新年明けましておめでとうございます。本年も変わりませずご支援を賜りますようお願い申し上げます。
 昨年は、かつてない天変地異の年でありました。東北地方における大震災、大津波、福島原子力発電所の放射線漏れの大事故、台風12号による奈良、和歌山の大災害などにより尊い多くの人命が失われ、いまだに避難生活を余儀なくされ不自由な生活をされている被災者の皆様方の生活の安定と一日も早い復興を、年の初めに改めてご祈念申し上げます。
 私どもの地域は何の被害もなく、また施設の運営におきましても大きな事故もなく無事に越年させていただきました。これも一重に関係者の皆様方の温かいご指導とご支援のお蔭であり感謝を申し上げます。
 本年4月からは、改正法の施行に伴い障害児施設の事業体系が制度上大きく変わり、障害児を対象とした施設事業は児童福祉法により根拠規程を一本化し、障害児施設の一元化をはかり、障害者(18歳以上)を対象とした事業については障害者自立支援法による障害者施策によって事業実施することとなります。
 実施主体につきましては、障害児の入所支援事業は従来通り府県でありますが、障害児の通所支援事業や障害者(18歳以上)入所支援及び通所支援事業は市町村が実施主体となります。なお、重症心身障害児・者の通園事業はこれまで法定化されていなかったのですが、今回法定化され一定の前進を見ました。
 重症心身障害の特性を考慮した改革になるのか心配していましたが、児者一貫した支援が確保できることとなりました。
 これらの移行について、本年は市町村と十分な連携を図り、利用児・者の支援に支障が生じないよう努めてまいります。職員の皆さんは、花ノ木医療福祉センターの理念である「障害のある人は人間として尊重され、人間としての尊厳が保たれ、医療、看護、リハビリテーション、介護等によってさまざまな障害のある人々の生命を守り、支援サービスの質の向上を図り、重度、重症化に対応した支援をします。」を基本として、本年を充実した年にするため、さらに努力をしていただきたいと存じます。
 関係者の皆様におかれましては、今後も相変わりませずご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
 龍年にあやかり、利用者をはじめ皆様方のますますのご健康と、施設の隆盛を願って年頭のご挨拶とします。

 社会福祉法人花ノ木 理事長 酒井 愛夫 
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情報発信事業
発達障害「超・初級講座」を開催

昨年度に引き続き、11月5日、19日、12月3日の三回にわたって、平成23年度情報発信事業として、『発達障害「超・初級講座」』を開催しました。

この講座は、保育、教育、福祉関係の他、一般の方にも開かれた講座として企画しました。障害に対しての基本的な医療情報と対応について、当センターの小児科医・精神科医が説明を行うことで、医学的知識のみならず、花ノ木医療福祉センターで実際に行っている支援や花ノ木としての考え方を周知できれば、より統一した対応ができると考えています。

昨年度も同じ内容で開催したこともあり、全体的に参加者数は控え目でしたが、保護者、教育福祉関係者以外にも広報を見て知ったという学生の参加もあり、幅広い分野の方に参加していただけたと思います。

初回は、前半が小児科寺田直人医師による「重症心身障害児」、後半は永井秀之医師による「てんかん」についての二講座で、22名の参加がありました。「重症心身障害児」についての講座では、医学的行政的な位置づけの説明から始まり、入所施設開設のいきさつや過去と現在での対象児の変化など、社会情勢の変化も含めて、寺田医師のこれまでの豊富な経験に基づく講演をしていただき、参加者の理解を深めることができました。「てんかん」は、発作のパターンや発作時の対応のDVD視聴を挟みながらの講義となり、映像によって、てんかん理解と対応についての知識をより深めることができました。

二回目は、小児科古川泰平医師による「ダウン症・精神遅滞」の講座で、13名の参加でした。ダウン症について染色体の図を用いた説明があり、また様々な要因で生じる精神遅滞についても、詳しく説明していただきました。一部、スライド資料では縮小された資料も、拡大したものを別紙で添えていただき、わかりやすい内容となっていました。参加人数が少なかった分、質疑応答の時間には古川先生からの逆質問などもあり、乳幼児期や学齢期だけではなく、成人してからの作業所や通所・入所施設での様子など、各領域からの実情を聞くことができました。小児期の支援をしている人には将来像を、成人期の支援をしている人にはこれまでの育ちを、イメージすることができたのではないでしょうか。

三回目は、精神科前林尚絵医師による「高機能自閉症スペクトラム障害」の講座でした。昨年度の「自閉症スペクトラム障害」を踏まえ、知能障害のない自閉症スペクトラム障害に絞った内容となりましたが、54名の参加がありました。自閉症スペクトラム障害という幅広い概念かつ、個人差も大きく、対象年齢も幼児から成人までと幅広いため、細かいところまでは伝えきれなかったところもありますが、自閉症の人の感覚の問題をスライドや音声で示した他、参加者の中から3名の方に疑似体験していただくなど、自閉症スペクトラム障害の人の立場を想像しやすい工夫もありました。参加された方も保護者、学校関係、福祉施設など多岐に渡り、それぞれの立場からの質疑もあり、有意義なものになりました。

二回目ということもあり、昨年度に比べると参加人数は減りましたが、実際に障害児・者と接する人が基本的な知識を得るために、ちょうどよい講座内容になったと思います。

今回の三講座の参加者はのべ89名(実数73名)で、三講座とも連続して参加された方は少数でした。それぞれの方が必要としている情報を選んで、講座を聞きに来られていることがよくわかりました。来年度はどのような内容で発達障害についての情報を発信していくか、考えていきたいと思います。

発達支援係長 精神科医師 前林尚絵
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 シリーズ『この人に聞く』
外来係 歯科衛生士 高原 牧さん

 今回は、歯科衛生士としての勤務のかたわら、講演や執筆活動にも取り組んでおられる高原牧さんにお話しを伺いました。

ご出身、ご経歴をお聞かせ下さい。

 出身は京都市北区。生まれも育ちも生粋の京都人です。日本福祉大学を卒業後、京都府歯科医師会歯科サービスセンター勤務を経て、障害児歯科診療の仕事をしたくて花ノ木に来ました。

花ノ木における歯科衛生士のお仕事の内容についてお聞かせ下さい。

 外来の患者さんと入所者の方々の診療の補助、また入所者の皆さん全員の口腔内の管理(ブラッシング指導など)を行っています。外来の患者さん、入所者の方々の歯科に関わる疾患だけでなく、個々のベースとなる疾患特性を勉強し、個別性にあった診療を提供しています。個性に寄り添うために、サービス内容を検討し話し合う時間を長く取っています。他職種との連携も大切にしています。リハビリ、医師、看護師、介護職員など他職種と連携し、お互いに連絡を取り合い話し合うこと、それに費やす時間を大切にしています。一般の歯科診療とは異なる部分がありますね。トータルにサポート出来る安心して任せられる専門家になりたいです。
花ノ木での仕事以外にも講演活動など多方面でご活躍されていますが、どういった活動に携わっておられるのですか?自閉症スペクトラム支援士の上級資格をお持ちと聞きましたが。

花ノ木に来る以前から患者さんの側でもっと出来ることはないかとずっと考えていました。対象として高齢者や障害児など色々なジャンルを勉強して来ましたが、最後にテーマとして残ったのが「自閉症スペクトラム」でした。
 人に自分の思いを伝えにくいことは誰にでもあることですが、自閉症の方々は特に苦手とされています。支援ツール(絵カードなど)を用いて、次は何をするのか、いつ診療は終わるのかといった診療の見通しを持っていただき、その不安の軽減を図ることに力を入れています。保護者にも自閉症の特性を理解していただき、家族の方々のサポートも大切にしています。

少しプライベートなこともお聞かせ下さい。休日はどのように過ごされていますか?

2歳の息子と遊ぶ時間が一番ホッとします。とってもカワイイ存在です。他にはアウトドア、キャンプ、スノーボード、海水浴が好きです。海水浴では、背泳ぎをしながら空を眺めるのが好きです。花ノ木のバレーボールやテニスサークルにも参加しています。
 仕事は楽しみなので、休みが続くと心配で利用者の方々に会いたくなります。

今後の展望や目標についてお聞かせ下さい。

働きやすい環境が花ノ木にはあります。前向きに患者さんに向き合って仕事をしていけるやりがいを引き出してくれる環境、正しいことを正しいと言える環境があります。
 私の好きな言葉に「人間(じんかん)至る所に青山あり。」という言葉があります。自分自身を信じていたら自分の居場所はあるもの。自分の気持ち次第で道は広がっていくと思います。日々の生活を楽しむことで答えは後から付いて来る。軸がずれない自分であり続けたいです。
 最後に花ノ木の職員さんへ。どんな些細なことでも良いので、どんどん入所者の方々に関する質問や相談などに来て下さい。歯ブラシのサイズは合っているか、などでもOKです。

聞き手の心を癒してくれるようなホンワカとした佇まいと語り口、凛とした考えを持って物事を前向きに捉えて進まれている姿がとても印象的でした。今後もよろしくお願い致します。    

 (聞き手:橋本欣也編集委員、東前京子編集委員
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掲示版

施設整備等助成金の交付が決定

社団法人京都馬主協会より、平成23年度公益財団法人中央競馬馬主社会福祉財団社会福祉施設整備費補助事業として、助成金200万円を頂けることとなり、11月6日に京都競馬場で行われた目録贈呈式に理事長が出席しました。この助成金については、重症児通園用送迎車両購入費用に当て、サービス提供機会の増、保護者の送迎負担の軽減に活用させていただきます。ありがとうございました。

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