第 76 号  平成22年1月24日 発行

-目次-
新年のご挨拶  OT集会活動報告
シリーズ「この人にきく」   掲示板
新年明けまして おめでとうございます
            花ノ木医療福祉センター 所長 小谷 功
 一昨年のリーマン・ショックに端を発した世界的大不況からの脱却が進まず、昨年一年間は厳しい経済情勢で、失職者が巷にあふれ、自殺する人が連続して年三万人を越す暗い年が続いています。国の財政も国債発行が税収を上回る敗戦以来の大不況の様相を呈しました。
 昨年末に選ばれた今年の漢字は「新」でした。暗かった年からの脱却を願う国民の願望の表れでしょうか。
 
CHANGEをお題目に圧勝したオバマ新大統領も不況からの脱却の遅滞、医療体制改革の停滞とアフガン戦線の混迷で支持率五〇%まで下降しました。
 一方、我が国でも総選挙で掲げたマニフェストに期待し、支持された民主党が圧勝し、新政権鳩山内閣が誕生しました。しかし、不況の谷は深く、デフレ状態となり、税収が落ち込み、財政の悪化で、懸命の事業仕分けも意の如く進まず、前途多難で、マニフェストの実行も極めて厳しくなってきました。
 障害者施策の中心をなし、兎角、物議を醸した「障害者自立支援法」の改正も昨夏の総選挙の結果、廃案となり、廃止も決定的となりました。改めて、「障がい者総合福祉法」(仮称)が制定されるとされています。
          
 私どもの重症心身障害児者施設の進路も不透明な状態となっています。しかし、如何様に法制度が変わろうとも、花ノ木は障害児者の地域での中核施設として安心、安全、快適で信頼される場を提供するよう最大限の努力をいたします。
 入所されておられる方の高齢化、重度化、重症化に対応した病棟再編成事業、地域の発達障害のお子たちの支援センターの整備事業も法制度の改正の方向を見ながら進めてまいります。
 昨年五月より新型インフルエンザのパンデミックとなり、我が国でも一八〇〇万人以上の人が罹患し、百人を超える人が死亡されました。花ノ木でも懸命の対策をとり、最小限の発症に止まっております。
 正月過ぎても、寒中です。小康状態の新型インフルエンザも第二波、第三波の恐れもあります。備えあれば憂いなし、くれぐれも御自愛下さい。
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"O T 集 会" 活動報告
             作業療法士 一同

 金曜日の夕方、病棟からは少し離れた医療棟集会室で行われている活動をご存知ですか?4時過ぎの賑やかな館内放送を聞かれたことのある方にはおなじみ、“OT集会”です。今回はいつもの活動の様子や、OT集会の歴史についてご紹介したいと思います。
 始まりは今から
11年前に遡ります。日常生活に介助を要する入所者の方々にとって、決められたスケジュールで動く日々の暮らしはどうしても受身になりがち。そんな中少しでも自分で選択・決定できる機会があればとの思いから、来たい時、来たい人が参加する場として始まりました。活動内容はなるべく主体的に参加できるものにしたい、そしてスタッフも一緒に楽しめるものにしたいと、テレビゲーム(当時はファミコン)に決めました。はじめはOT側から誘いに行って23人で活動を行っていましたが、次第に口コミで広がり、病棟職員さんからも入所者の方を誘ってくださるようになりました。そのうち、どうせなら参加者自身から呼びかけようと、5年前から現在の館内放送が始まりました。回を重ねるごとに内容にも改良が加わり、人数の増加に伴って会場も広くなりました。
 現在は毎週金曜日の
16:3017:00の間、集会室にて行っています。ゲームはファミコン、セガサターン、プレイステーションを経て、今は任天堂Wiiを行っています。ゲームの他に電動車椅子に乗ったりもしています。その日何をするかは当番の人が事前に放送でお伝えします。参加したいと思った人は集会室に集まり、時間がきたら活動スタート。一度に操作ができるのは1人か2人なので、やりたい人はその都度、立候補します。
           
 スタッフの「やりたい人?」の問いかけに、声や手足、目線で返事をし、操作できる人が決まります。時には「次、応援したい人?」といったフェイントも入るので、うっかり返事をしてしまうと間違って観戦者の立候補をしてしまうことに・・・。ゲームでは、操作に介助が欲しい人は介助者も選ぶことができます。これを決めるためのやり取りは毎回大盛り上がり。スタッフの冗談混じりの問いかけはすっかりおなじみのもので、いつも笑いが起こります。ここでうまく笑いを取るのもスタッフの手腕。問いかける方も真剣です。それぞれに操作がしやすいよう、コントローラーを腕に巻きつけたり、取手を付けたり、道具にも工夫を凝らしています。ゲームが始まると、操作をしていない人は自分のチームを応援。勝ったチームから優先的に次の対戦者が選ばれることもあるので、応援にも熱が入ります。電動車椅子ではゲームとはまた違った盛り上がりを見せます。速さも方向も自分の動かしたとおりに動いてくれる電動車椅子は毎回大人気。急に向きが変わったり速くなったり、時には応援の列に突っ込むこともあり、乗るほうも見るほうもドキドキの連続です。活動の最後はいつも、全員の「エイ、エイ、オー!」で締めくくります。
 活動後は毎回スタッフでその日の内容を振り返ります。
OT集会には、操作することを楽しむ人、試合に勝ちたい人、みんなとのやり取りを楽しむ人、場を盛り上げる人・・・いろんな参加の仕方があります。それぞれのペースや楽しみ方を一緒に評価し、目標に向かって道具や設定、声のかけ方、操作の仕方などを検討しています。
 OT集会では、日々の活動の成果を発揮する場として年に1回“ゲーム大会”も行っています。いつもの時間を2時間に拡大し、大型スクリーンを使ってのゲームは迫力満点!内容は参加者の中から選ばれた実行委員長・副委員長との会議で決め、準備も一緒に行っていくので、大会前から文化祭のような盛り上がり。当日はもちろん、いつも以上の熱気に包まれます。特別ゲストとして理事長にも参加をお願いし、ゲームの後に表彰式も行っています。参加者もスタッフも毎年楽しみにしている一大イベントです。
 
OT集会には、参加の条件は特にありません。活動の場を楽しんで過ごせる方ならどなたでも大歓迎です。一人で座って待つことが苦手なら職員さんと一緒に参加することもできます。みんなで一緒に楽しみましょう。職員さんもぜひ!皆様の参加をお待ちしています。

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シリーズ 「この人に聞く」 准看護師 矢田 貢治 氏
今回は、厚生労働大臣表彰を受賞された准看護師の矢田貢治さんにお話を伺いました。
-受賞おめでとうございます-
 ありがとうございます。
-受賞を知った時の第一声はどのような言葉でしたか?-

 「何で、私が」という驚きで、受賞理由を事務部長に確認したところ「35年間勤務したことが認められたんだ」と教えてもらいました。
-仕事をされたのは花ノ木だけですか?-

 いえ、同志社大学の商学部を卒業し1年間だけ一般企業に勤めました。そこではやりがいを見つけられずに退職、軽い気持ちでアルバイトとして花ノ木に勤めるようになりました。働いているうちに、入所している子どもたちを見ていて、これからは医療の力が必要になってくるのではと思うようになり看護学校に進み、気がつけば35年が経っていという感じですね。
-35年という長い期間働き続けていける花ノ木の魅力は何ですか-
 花ノ木は、自分の内面と通じるところがあると思います。もちろん35年の間に辞めようと思ったこともありましたよ。働きだす前は、施設というものは少し社会から離れたところにあるような感じをもっていました。けれども花ノ木は入所者の方と職員が共に生活しているという感じが強くて、働いているというより花ノ木が自分の生活や人生の一部のような気持ちになってきたから、辞めずに続けてこられたんだと思います。
-今頑張っている後輩たちを応援する意味を込めて、何かアドバイスをください-

 強くて丈夫な身体を作るために、小さなことでよいので日々努力をしていってくださいってことかな。私が勤めだした頃は、身体を壊してやめていった職員が何人もいました。いくら志があっても身体を壊しては続けていくことが出来ませんからね。
-今後、仕事の中で、やって行きたいことはありますか-
 
これからは、電子カルテの導入などIT化が進んでいくと思います。パソコンの操作などは得意なので、そういった方面で力を発揮したいと考えています。

 
飄々という言葉がよく似合う矢田貢治さんですが、私が今まで知っていた矢田さんとは違い、このインタビューのときはとても緊張されていて写真を撮る時何度も取り直しになるくらいでした。又、内に秘めた花ノ木に対する強い思いも垣間見たような気がしました。
(聞き手:片山さゆり編集委員)
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掲示板
京療連北部研修会報告
 12月5日、平成21年度京都府療育教室指導者連絡協議会北部研修会を花ノ木で開催しました。
 亀岡以北の療育教室が集まり、よりよい療育を行っていくために勉強することを目的として行われるもので、主催は各療育教室の持ち回りです。花ノ木を含め、8園36名の参加があった今回は、洛西愛育園園長の高木恵子氏に「就学前の子どもたちへの療育・子育て支援について」という講演をしていただいた後、事前に記入してもらっていたアンケート用紙をもとにそれぞれの療育教室の現状や課題を話し合う交流会を行い、高木氏に助言をしていただきました。
          
 高木氏は「制約のある子どもたちが地域で心地よく過ごせるように」との思いから、園長としての仕事のみならず、地域支援、啓発事業として小学校や保育園、療育教室で職員研修や助言を行っておられます。今回の講演ではそのような様々な所で、たくさんのお子さんや保護者を見てこられた経験を踏まえ、具体的な例を挙げ、わかりやすく就学前の子どもたちへの支援のあり方について話してくださいました。子どものマイナスの面を見るのではなく、プラスの面に目を向けることや子どもの持つ制約が社会で制約とならないように生きていけるようにすることの大切さを改めて感じました。

 参加者からも「前向きな考え方からパワーを頂きました。」、「日々の療育で参考になる点が多く、もっと聞きたかった」という感想を頂き、満足のいく研修会となりました。
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